裁判員制度と陪審員制度の違い
ここでは裁判員制度と陪審員制度の違いについてご説明します。
まずは、世界の国に視点を向けてみてみましょう。
日本以外の国でも国民が刑事裁判に参加する制度を導入している国々は多いようですが、
その国々で採用されている形態に関しては様々な方法で実施されていますが、
おおむね陪審制と参審制に分けることができます。
まずは陪審制に関してご説明します。
陪審制とは、有罪か無罪かの犯罪事実の認定は陪審員のみが行い、
法律問題(法解釈)と量刑を決めるのが裁判官となっている制度です。
そのため、陪審員は事件毎に選任される特徴を持っています。
この陪審員を採用しているのがアメリカやイギリスなどです。
次に、参審制に関してご説明します。
参審制とは裁判官と参審員が一つの合議体を形成しているのが特徴的です。
そのため、参審員でも犯罪事実の認定や量刑のほか法律問題についても
判断や決定を行うことになっています。
また、参審員は陪審員のように事件毎に選任されるのではなく任期制で選ばれる点が特徴的です。
これら陪審制と参審制の特徴をあわせもったものが裁判員制度なのです。
裁判員制度では参審制のように裁判員と裁判官が合議体を形成する点では同じですが、
裁判員は事実認定と量刑の判断を行い、
裁判官のみで法律問題を判断する点では参審制とは異なってきます。
また、参審制のように人任期で選定されるのではなく、陪審員のように事件毎に選任される点では陪審制の特徴をもった制度といえます。
このように、裁判員制度とは陪審制と参審制の特徴をあわせもった日本独自の制度となっているのです。
下記に上記で説明していることをまとめてみました。
陪審制度
裁判官関与:陪審員のみ
有罪無罪:判断する
量刑:判断しない
任期:事件ごと
選任:無作為
参審制度
裁判官関与:裁判官と共同
有罪無罪:判断する
量刑: 判断する
任期:任期制
選任:団体等推薦等
裁判員制度
裁判官関与:裁判官と共同
有罪無罪:判断する
量刑: 判断する
任期:事件ごと
選任:無作為